目指すべき方向

このページで言いたいことの概略

  • 公式サイトと誤らせるような表記・表現は厳禁
  • 無断転載厳禁です。ネット上の写真・雑誌の切り抜き・オフィシャルサイトの画像や文章、歌詞や詩、どれも同じです。してはいけません
  • 無断翻訳の公開厳禁
  • 営利目的厳禁
  • あからさまな性的表現は適切なゾーニングを行いましょう

 上記は別にファンサイトに限らず、大概はサーバーの規定に触れると思います。

目指すべき方向

 ここに書いていることはあくまでも私個人の考えで、これに沿っていたからといって著作権侵害にならないというわけではありません。実際のところ「ファン活動」は作品に依存するものだし、法的根拠がどうあれ権利者はその権利を守るでしょう。だからここに書くことは、「ファン活動は合法である」とする理屈ではありません。ファンとしてせめてこのラインははみ出るな、という私見です。加えて、どんな権利が関係するのか、第3者が「違法だ」というのは正統だろうかという疑問です。
 権利者のなかにも譲れるラインと譲れないラインがあると思うのです。干渉しない範囲において、できればつつましく活動したいなと思います。これは「ファン」にとって都合のよい理屈ですが、結局のところ作品を支持するのがファンである以上、作品を活かすことにもつながるのではないでしょうか。少なくとも、活動を否定されたくない以上、目指すべき方向はそこにあると思うのです。
 以下その視点にそって書いてみたいと思います。

公式サイトと誤らせるような表記・表現は厳禁

 権利侵害を目的としない以上、オフィシャルと誤られる行為はすべきではありません。具体的には作家などの名前をかたった、オフィシャルを装った、ロゴなどを無断使用した、などです。無断翻訳の公開も違法性が高いです。パスワードとかアドレス非公開とかは関係ありません。ネットに出した時点で公開です。
 「ハリー・ポッター」はワーナーの商標ですから、映画のロゴを使用したり、グッズなどを販売することは、ワーナーの販売活動の障害となります。ハリー・ポッターの主要なキャラクターや小道具などはほとんどワーナーの登録商標です。サイトの名前やドメインへの使用をする前に確認を取ってください。また、ほとんどのサイトが「個人サイトです」と明記しているのは、オフィシャルと誤られるのを防ぐためです。

無断転載厳禁

 複製・無断転載は同人誌や個人サイトレベルでもよく問題になっています。文章・画像ともに、書いた人の許可なく写したものを、不特定多数に対して公開してはいけません。
 歌詞の無断転載を見ることがありますが、あれも違反です。MIDIも曲によっては使用料をJASRACに支払う必要があります。日本音楽著作権協会(JASRAC)は2002年10月から2003年1月末までに、100サイト以上を閉鎖に追い込んでいます。(2003/2/17/SankeiWeb記事)また、映画で使用された制服のデザインなどを盗用すると複製にあたると思います。(どこからが複製でどこからが参考になるのかは不明です)
 写真の場合は撮った人の著作権だけでなく、映っている人の肖像権も係わってきます。友達の写真を公開するときでも必ず許可を取りましょう。(そもそもネットに写真を公開するのは結構危険じゃないかと思います…)
 とくにタレントの場合、彼らの写真は彼らの所属会社の販売物と変わりません。著名人の写真や名前はそれ自体に価値があります。無断で公開・配布すれば知的財産の侵害とみなされても文句は言えません。イエローキャブは損害賠償請求メールを出しているらしいです。タレントの写真を無断掲載して逮捕された方もいる(2002/9/2/Mainichi INTERACTIVE記事)ので、十分に危険性を理解してください。
 プライベートな憶測も人権侵害にあたる場合があります。あなただって自分の恋愛や性的な部分を他人に憶測を交えて公表されれば傷つきますよね。カップリング発想を実在する人間を対象として行うことは大変に危険です。対象が18歳未満の児童であった場合はキッズ・ポルノ扱いとなる危険もあります。ナマモノと呼ばれる実在人物を取り扱う特殊なサイトの場合は、検索避けやリンクなど徹底して気をつけましょう。気軽にやった場合、オフィシャルのクレーム以上にジャンル内で袋叩きに合う可能性を指摘しておきます。十分な注意と対処を行ってください。

著作権のグレーゾーン

 ファンサイトの多くは、自作のイラストや小説やマンガ、感想などで成り立っています。CGIを使ったゲームなどもありますね。ゲームの場合は商標が関係するかと思います。感想は著作権に関係することはまずありません。
 同人=二次著作物ではないそうです。キャンディ・キャンディ事件を参照しますと、原作内容そのままで表現方法のみ変えた場合にのみ二次著作物になる様子。パロディという意味では『バターはどこへ溶けた?』事件がありますが、複製や二次著作物としては訴えられていません。1部の文章は引き写しと改変が見られるとして、翻案権の侵害となっています。
 ちなみに関連本のイラスト類は許可を得ているわけではなく、「ハリー・ポッター」を理解する上での助けとなるものだとしています。つまり研究のための引用です。関連本の編集をされた方にお話をうかがったところ、本文中に出てくるお菓子に関する本を出したときは、「本の引用を示してください」と出版社サイドから言われたそうです。引用だと分かるように、タイトルとページ数などを示した方がもしかしたら良いかもしれません。(裏目に出る可能性もありますが、パロとしての誠意という意味では引用をしめした方が良い、と私は考えます)
 さて、既存のキャラクターを使っていても、話や絵柄事態はオリジナルである場合、著作権はどう関係するのでしょうか。結論を先に書いてしまうと、これが二次著作物にあたる可能性は低いです。よって著作権の侵害にはあたらないかもしれません。
 財団法人著作権情報センターのホームページには、

「登場人物等の性格や役割などは著作物の創作においては大きな比重を占めますが、それ自体は「アイデア」の領域に属するもので「表現」を保護する著作権の対象にはなり得ない考えられます」
とあります。
 ただし、映画の登場人物の外観に関しては映画会社著作物となりますので、この影響下にあるイラストは二次著作物となる可能性があります。
 翻案や引用、二次著作物に関してはどれを「違反」とするかは権利者の心証にかかります。また、これらの権利に触れていなくても、「著しくイメージを傷つける」と判断された場合は著作者人格権の侵害にあたるかもしれません。これを判断するのは権利者であり、最終的には裁判官です。
 他、ファンサイトとしては情報や研究を目的としているサイトもあります。行きすぎる引用をしていないのなら、これらが著作権に問われるとは考えにくいと私は思います。コスプレサイトなども微妙です。服はデザインを盗用している場合があるとはいえもっぱら自分で着るためのものです。個人利用の範疇に含めて良いのではないかと思います。特に公式でも衣装の販売は行われていますから、市販された服を着た写真を公開することに著作権上の問題が発生するとは思えません。キャラクターを名乗ってるという意味では、キャラクターの複製の翻案にあたるかもしれません。

ファン活動をする上で

 実際問題として、権利者は嫌だと思えばどこからでもクレームはつけれます。著作権面だけでなく、損害賠償を求められる場合もあり得ます。言ってしまえば、権利者が良しと思えば良く、ダメだと思えばダメです。
 それは別にハリポタだけでなく、ゲームやマンガのファンサイトも同じです。極論を言えば、表現や発言を行う以上は誰かの心情を傷つけるかもしれないという覚悟はすべきだろうと思います。リンクや引用、メールの公開など、ファンサイトに係わらずネット上では簡単に著作権侵害の可能性は発生します。
 面倒事を避けるなら、徹底して作品名を出さないという方法も一応あります。もっとも心証を余計に悪くするという噂もありますので、どちらが良いとも言えません。それにファンとしての行為なのに、作品名さえ隠すというのはなんだか哀しいのではないかと、個人的には思います。

 ほとんどの著作権侵害は親告罪です。侵害が事実であっても、損害を与えられない限りは許容する考えの権利者もいます。否定するのと同様、容認するのも著作者の権利ではないでしょうか。侵害の可能性の指摘ならまだしも、第3者に犯罪者扱いされるいわれはない、と私は考えます。ファンが「好きだからいい」と言うのが正しくはないように。
 所詮は個人が好きでしていることであり、黙認される傾向が強いのも事実です。しかしそこに甘え、権利者の心情を傷つけたり財産を侵害しかねない行為をすれば、権利者はファンサイト全体を規制せざるを得ません。そんなことにならないためにも、自分が何をしているのか、どういう影響があるのか、どんな権利が係わるのか、よく理解してください。


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