街の明かりも通る車のライトさえも少ない深夜。
時計を見てみれば、もうAM2:00を回っている。
面倒なことは溜め込みがち、そんな識子には書類仕事は向いていない。
ようやくひと段落つけたのはこんな時間になってからのことだ。
(もうバスもないよね……ホント、原付の免許くらい取ろうかしら……)
移動手段が徒歩しかない状態で、深夜の街を歩くのはいくらなんでもごめんだった。
屋上で一人、深いため息をつくと手すりに凭れ掛かり、自嘲気味の笑顔を浮かべた。
「ため息をつくと、幸せが逃げる……か。」
そんなこと誰が言い出したんだろう。
25にもなってそんな子供っぽいことを思い浮かべた自分に笑えてくる。
今日はもう、眠ってしまおう。
いろんなことを考えすぎてしまう日には、ろくなことがない…
憂鬱な気分を吹き飛ばすためにも、識子は大きく伸びをした。
そのとき、屋上の扉のガチャリと開く音がした。
振り向いた識子の、視線の先には。
1:古畑博士!?なんでこんな時間に…
2:芦茂さん…こんな時間に、どうしたんです?
3:あ、物部さん。今日も泊り込みですか?
4:植木さん…?どうしたんですか!?
4:植木さん…?どうしたんですか!?(83様版)
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