第1幕 〜著作権って何のこと?〜
第1場 何かをつくった人に権利がある
第2場 「つくった」ってどういうこと?

第3場 つくった人の心のための権利
  権利って結局なに?つくった私の心とか、つくった私の利益とかを守ること。
  私の心、私の人格。公表権、氏名表示権、同一性保持権。

第4場 つくった人が損をしないための権利
第5場 できることだっていっぱいある
第6場 勝手に使ってしまったら?

  第1幕 第3場  つくった人の心のための権利
あれ?

あら、武王、どうしました?

いや、分かった気がしてたんだけどな。結局なにも分かってないんじゃねーかと思ってさ。
自分でものをつくったやつが守られるってのはわかったけどよ、 守られるってどういうことだ?

つくった方が「著作権」という権利を持つ、ということですわね。
ご異論でも?

・・・。お前、それじゃあ俺がわかんねえって知ってて言ってるだろ。
権利とか、守られるとかって、結局どういうことだよ。

はい、小兄さま、それが今回と次回の話題です。
守られるということは、どういうことか、ですね。

ふふ、失礼いたしました。
さきほどまでの会話のなかでは、 「権利がある」あるいは「守られる」ということを、
「つくったものが勝手に使われない」 と言っておりましたわね。

ええ、おっしゃるとおりです。
「守られる」ということは、 基本的には「つくったものを勝手に使われない」いうこと。
勝手に使われた場合には、「やめて欲しい」と言える、そういうことですね。

やめて欲しい、って言えるのはつくった本人でいいんだよな。

今のところはそのように理解してくださって構いませんよ。
ここで言う「権利」はつくった人を守るものですからね。
まずはつくった人の心を傷つけないために、 そしてつくった人が損をしないために 権利があるのですから。

えっ?えーと。
心が傷つく、っていきなりなんでだ?
どういうことだ?

いきなり、ということでもないと思いますが。
武王。
あなたがご自分で誠実に考えて話された周のみなさんへの演説を、 中身をめちゃくちゃに変えられて後世に残されたらどうですか? 悔しく思われません?

そうですよ、小兄さま。
つくったものには自分が投影されますからね。
変な使い方をされれば自尊心が傷つく方は多いでしょう。

ん?うーん・・
(演説なんか、目の前のヤツらに伝わったらいいやって気もするけどな。
 悔しかったり傷ついたりするのも一応ありかな?)
ま、そうかもしんねえ。
そういうふうに、例えばつくったものの中味を勝手に変えられたら、 やめてくれって言えるわけだ。

そうですね。
嫌な気持ちになって、もう何もつくらない、なんて思われたら困りますから。
つくったものの内容を勝手に変更されないことのほかに、 作者の名前を勝手に変えられたり消されたりしないことなんかも、
つくった人の心、と申しますか、人格を守るための権利ですね。

ふーん、人格、ねえ。
じゃあさ、これ下手だよなとか、この絵てんで似てねえ、 とかいう批判もしちゃいけねえのか?
もしもそれがホントのことでも、つくったやつは傷つくわけだろ。

(私の描いた似顔絵のことなのでしょうか?)
いえ、そんなことはございませんよ。
公表した以上、反応される可能性は当然ありますし、 好意的な反応とは限らないことも自明ですよね。
もちろん、批判する方にも相応の良識は求められるかとは思いますが、
ともかく批評、批判、非難のたぐいは著作権法の禁ずるところではありません。
ですがつくった「もの」を勝手に変えられたら、 そういった議論すら成り立たないでしょう?

「つくった人」が「つくったもの」によって判断され評価されあるいは非難されるのは、 まったく当然の話ですわね。
その前提を覆すような、「つくった人」の名前を変えること、消してしまうこと、 それから「つくったもの」の内容を変えてしまうこと、は
つくった人の人格を不当に傷つけるものとして禁止されるわけですね。
では、つくった人の人格を守るという観点から、ほかに許されないことはありますか?

あとひとつ、つくった人が公表していないものを勝手に公表してはいけませんね。
逆の言い方をすれば(法律上はこちらが本来の言い方ですが)
つくったものはつくった人しか公表できません。
公表しなければ評価されることもありえませんから、つくったものを公表するかどうかは つくった人だけが決めることができるのです。

ああ、つくってみたけど満足いかない、ってこともあるだろうしな。

小兄さま、そのとおりです!
満足のいかない文章をパソコンに保存していたら、家族に勝手にアップロードされてしまった、なんて 考えるだけでも恐ろしい話でございましょう?

ここだけ際立って身近な例えになってますわね・・。
まあ、わかりやすいですからいいですけど。

えっとそうすると、つくったやつは自分の人格を守るために
 ・ つくったものを公表する権利
 ・ つくったものに自分の名前を間違いなくつけとく権利
 ・ つくったものの中身を勝手に変えられたりしない権利
っていう3つの権利を持っているってことでいいんだな。

そのとおりです。小兄さまにしてはよくまとめられました。

(褒めていらっしゃるおつもりなのかしら?)
どうにかまとまったところで、次回は「つくった人が損をしないための権利」ですわね。
今回はここまでにいたしましょう。

損をしないために続く
わーん、ひとりあたりのせりふが長い・・・
はい、ギブアップです。当初の予定の章立て変更いたします。(読みが甘い・・・)
月に一度はアップしたいと思っていましたが、残念ながら二月ほども開いてしまいました。
そう言えばこの間、参考リンクはアップしたけれど参考文献は放ってあるし。
ついでに気がついたらジャスラックがリンク届出制になっているんですよ。何時の間にか。どうしたものか。
ところでどこのリンクからお客さまが飛んで来ているとか (つまりはどこからリンクが貼られているかとか)、
アクセス解析をすれば分かるということを最近ようやくわかったのですが。
(以前教えていただいたことがあるのですが、どういうことなのか実感がなかった・・)
されるのは怖いけど仕方がないと思う、するのはとてもしたいけどよく分からない、で、
しばらく静観の模様です。
疑問点不安点ご感想賛成反論ありましたらぜひ水波まで。
(13.08.04)

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