「ここの店、安くて上手いぞ」
「へぇ…でもゼロはデザート目当てでしょ」
「まぁ、な」
ゼロが顔に似合わず甘いものが好きという事は案外知られているので気にはしないけど。
最近学生に人気のあるこのレストランはやはり、大方の客は黒と紺に埋め尽くされていた。
初めて入ったアクセルは店内を見回していると店員がやってきた。お決まりの台詞が来る。
「いらっしゃいませー!二名様でよろしいでしょ「「あ」」
お互い固まった
「お願い!この事誰にも言わないで!!」
まさか。まさかコイツらが来るとは思っていなかった。大問題だ。非常事態だ。
どうやってこの事を言わないように出来るだろうか。ゼロはともかくアクセルが非常に厄介である。
「オレは別に構わないが…」
「でもさーこのままじゃつまらないよねー」
やっぱり来た。なんだ。何させる気だ。
「何でもするから!頼むよー…」
と言っても何をさせる気かわかったものでは無い。背筋が冷える。
たちもば 「ビックリドッキリメガトンパフェ」
「え」
待て待てアクセル。今なんて言った。てかなんでその裏メニュー知ってるの。どこからその話聞いた。
「口止め料としては安い方だよねー?」
「そう、だな」
ニヤリと黒い顔で言われ、言い返す言葉が見つからない。
おい、赤いイケメンはパフェに釣られたな。この甘党め…!
「わかったからエックスには言わないでよ…!」
さようなら私のバイト代。一体幾ら残るかな…
それに、
この格好をエックスに見られたら
死ぬ
「ねぇ、エックス。あの噂のお店知ってるでしょー。安くて美味しくて店員が可愛いの!」
「あぁ、行った事無いけどな。店員がどうのは知らないが…」
「今度行こうよ、絶対入れるように準備しとくからさ!」
「…?」
そして店内で赤面する人物が二人いるかも、しれない。