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私が会社を辞めた理由 おまけ

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  I. はじめに
  II. 私がこの会社に入ってしまった理由
  III. 客観的分析から
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  IV. 私のお客がつぶされるまで
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  V. 細かい嫌な事リスト
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  VI. 週の勤務体系
  VII. 入社前から騙されていた
おまけ
  VIII. 辞めるまでの道のり
  IX. 辞める直前
  X. 余談

VIII. 辞めるまでの道のり

そもそも、入社直後の研修中に多くの嘘が露呈したので、その不誠実さから 辞めようと思っていた。しかし経歴に刻まれてしまった以上、 何も結果を残さずに辞めるのも抵抗があった。そのため 「少なくとも1件の新規を上げてから辞めよう」そんなことを最初の頃から考えていた。

9月末、初新規が取れた。取引開始は10月からだったが、その直後 当時の直接の上司【オリタ】に「辞めたい」と伝えた。しかし【オリタ】は必死に引き止めた。

その後支店長との話し合いの末、17時以降は電話営業をせずに、 Webサイトにて行うネット取引の営業をするよう任された。 事実上17時以降なら堂々とパソコンを使用することが公に認められたのである。 特別扱いだ。その特別扱いに気をよくし、辞意を取り下げてしまった。

しかし、私だけ特別扱いというのは負い目があった。 当然まわりも私だけ特別扱いされていることには快く思っていなかっただろう。 しばらく経つとその優遇制度は、特に説明もなく廃止された。

私はやる気をなくし、まともな電話をしなくなった。 普通なら粘って話を続けるのだが、相手が断りのフレーズを口に出したらあきらめ、 話の途中で電話をガチャリと切るようになった。 電話の途中でも自分の携帯に電話がかかってくれば、無条件で話中の電話を切った。 会社名を言った時点で反応がよくなければ、その時点で切った。 そんなことをずっと続けていると、良い感じで話ができた客に対しても、 つい癖でガチャリと切ってしまったこともあった…

私は当時、課長の【オリタ】の目の前に座っていた。私のやる気のなさを 存分に見せつけていた。あれでクビにしないほうがおかしいくらいに。 新規が取れなければ恫喝されるが、私はまったく気にせず「ハァー、はぁー」 とか適当な返事をしていた。 そのころ、【オリタ】との関係は、かなり険悪な状態になっていた。

さすがにもう限界だと思い、再度辞めると切り出した。 そのときは12月で、けじめをつけて新年を迎えたかったという気持ちもあった。 すると【オリタ】はあっさりと「ええぞ」といった。 しかし、次に出た言葉は「俺はいいけど支店長がなんていうかは知らんぞ」と。 またでた。おまえは何のために存在しているんだと思った。 これも、【オリタ】らしい発言である。

その後、支店長にも辞意を伝えた。一応引き止められたが、 「今日の終値で金と小豆の価格が両方上がったら辞めない、そうでなければ辞める」と伝えた。 辞める辞めさせないの問答をするよりも、先物会社らしく運に任せる 遊びの要素を込めることで、了承してもらいやすくなると思ったからだ。 また、実際には自分でも若干迷いがあったこともある。 支店長は笑って了承してくれた。

結果は金は上がり、小豆は同価格だった。 支店長に「一勝一敗のときはどうなるのか」と尋ねられたが、 「両方上がった場合だけ辞めないというルールなので、そうではなかったので辞める」 と伝えると支店長も引き下がってくれた。そしてようやく退職できることとなった。


IX. 辞める直前

退職が決まって退職日の直前(当日?)、部長職(支店長より上、支店にはあまり顔を出さない) の人間に呼ばれ、辞めたい理由を尋ねられたので、こう伝えた。 「実際問題ほとんどの人間が負けている。 まず間違いなく負けて損失を出させるような取引を勧めたくない」と。

するとその上司は、興奮して 「そんなことは無い。勝ってやめた人間だっている!!」と怒鳴った。 私は「すべての人間が負けるとは言ってない、多くの人が負けますよね」といったが、 延々と言い訳を言い続けた。「多くの人が負ける」という事実を少なくとも私の目の前では認めなかった

しかしその数時間後、私以外の支店メンバー全員でミーティングが開かれ、こんなことを言っていた (声がでかいので聞こえた)。 「パチンコだって競馬だってほとんどの人が負ける、勝つのはごく一部だ。 手数料があるのだから、その分負ける人がいるのは当然。 われわれはパチンコや競馬産業と同じように夢を売っているのだ」と。

その様子は、私の前では筋の通った説明はできなかったが、 じっくり考えて自分なりに筋が通っていると思える論を考え出せたので その論を多くの人間に披露し、自分と周囲のメンバーを納得させようとしているように見えた。

私の前では頑なに認めようとしなかった「多くの人が負ける」 という事実を認めたことは大きな進歩だ。

しかし、パチンコや競馬は、店員等に「儲かりますよ」などと勧誘されて パチンコや競馬をやるケースなどありえない。客が自ら寄ってくる。そういう魅力のあるものなのだ。 だからこそ自己責任で、騙されたなどと訴えるものはまずいない。

一方で、先物は自らやりたいといってくる客などほとんどいない。 客が向こうから来ないから、自分らの生活のために、違法ギリギリもしくはギリギリ違法の 強引な営業で客をつかまえ金をむしりとる。そんな構造だから「騙された」と感じる人間が多いのだ。

少なくとも私には、両者には違いがあると思う。しかし違いが無いと思う、 もしくは違いを無視できる人もいるのだ。

先物業界で仕事を続けられるのは、そういう違いを無視できる人なのだ。 それが先物業界の実態である。


X. 余談

…とはいえ、部長職の人間の言い訳の様子から分かるように、 先物会社の社員ならば、「ほぼ負ける」ということは皆分かっているのだ。 分かっていながら、屁理屈で正当化し自分を騙しながら、客を負けさせて生活費を稼ぐ。 そういう世界なのだ。

近年、先物業界に対する規制が強まり、「違法ギリギリもしくはギリギリ違法の強引な営業」 をやっていた会社はどんどん淘汰され、先物取引で被害を受ける人は少なくなってきた。 その一方で、「オレオレ詐欺」などが急増しているのは、 先物業界で働いていたような人が、あっちに流れただけなのかもしれないなと思ってしまう…。

とにかくほとんどの人間が負けるのは言うまでもなく当たり前のこと。 「ほぼ負けると分かっていながら勧誘する」これが先物業界の実態。 そこは忘れてはいけない。


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