健脳食.11
お米を一晩水につける
日本人の主食、お米についてお話をしましょう。 前田利家の妻、まつが炊いていた米は、玄米です。 当時の人は、一人一日5合(750g)の米を食べていました。 これは、カロリー換算で、2600カロリーになります。 このほか、おかずを入れると、当時の人々は、3000カロリーぐらい とっていたのではないでしょうか。
現代人は、一日およそ1800〜2000カロリーが平均ですから、 昔の人のほうがはるかにカロリーを消費していました。 それでも太らなかったのは、それだけ運動量が多かったということでしょう。
さて問題はお米の炊き方です。お米は前の晩に研いで、一晩水に浸けておきます。 こうするとギャバ成分がたくさん出てくるのです。 玄米などの胚芽米の場合、胚芽の部分にグルタミン酸というアミノ酸が 含まれています。もちろん、胚芽米ほど量は多くありませんが、白米にも グルタミン酸は含まれています。
このグルタミン酸が水に浸すことによってギャバに変化するのです。 そこでお米の研ぎ方ですが、できればザルを使って研いでください。 そして研いだ後10分くらい水切をします。水切をするときにザルの上に 濡れた雑巾をかけておきます。
こうすると、米の吸水性が高まるのです。 こうして水切りをした後、電気炊飯器で米を炊くことに なりますが、スイッチを入れる前に最低でも3時間、 できれば、一晩は水に浸けておくといいそうです。 このとき、水加減はほんの少し少なめにしておきます。
この過程で水の酵素によって、米のグルタミン酸がギャバに変化するのです。 ギャバとは通称で、正式にはガンマ・アミノ酪酸というのだそうですが、 これはそのまま、高血圧の薬になります。 同時に、ギャバは脳の中の神経伝達物質なので、ボケの予防として 注目を浴びているのです。
もうひとつ、大切なことを加えておきます。 お米を長い間水に浸し、ギャバがたくさんでてくると、 炊き上がったお米が立った状態になります。 炊き上がったご飯の粒が立っているというのは、 おいしいご飯の形容詞。ご飯が甘くなるのです。 なぜ甘くなるかというと、ギャバといっしょに オリゴ糖も発生するからです。ご存知のように、 オリゴ糖は腸まで達して、善玉菌であるビフィズス菌のエサになります。 このよう考えると、米は体にも脳にもよい、実に優れた食品であるといえます。
