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奇譚小函―きたんこばこ―

R-18 二次創作テキストサイト

 

※エロ注意※

 

EPISODE3.5 おとめのおもちゃ その2


水曜の二時間目は辻彩先生の保健の授業で、いつも身体の成長や人間の健康について学ぶのだが、その日の授業内容はいつもと少々違っていた。
心身共に大人に近づいている女子中学生にとっては、色々な意味でとても興味深い授業――いわゆる性教育だった。
生殖の仕組みや細胞分裂による成長などの話は普通に聞いていられたが、具体的にどうやって子供を作るのかという話になると、いつも騒がしい面々もなんとなく神妙にしていた。
テキストの性的な単語などを茶化す者もいたが、それは恥ずかしさの裏返しだった。

「いつか皆さんが好きな人と結ばれた時のために必要な事ですからね~、恥ずかしい事じゃないのよ」

その辻彩の言葉に、トリッシュは内心ほっとしていた。

(やっぱりそうなのよね、赤ちゃんを産むためにするんだものね)

あの二人……DIOとミドラーも、好きだからあんな事をしていたのかしら?
図書館で情事を目撃した先日の事件をきっかけに、性的な事に対するトリッシュの興味はますます強くなっていった。
とは言っても男性経験などあるはずもない自分に、逆ナンだかボーイハントだかの積極的な冒険なんてどうしても躊躇ってしまう。
そのため彼女の興味のベクトルが向かうのはクラスメイトなどの身近な他人だった。
隣の席のルーシーのあどけない横顔をちらりと盗み見る。
自分と同い年の彼女が50歳の夫を持つ人妻で、しかも恋愛結婚だと聞いた時はとても驚いたものだった。
見かけによらずしっかりしている彼女は、夫婦がする事をもうとっくに済ませてしまっているのだろうか。
トリッシュははっと我に返った。

(あたしったら何を考えてるのかしら……)

女同士でも、そんなデリカシーのない事を聞いたら変に思われるに違いない。
転校する前にいた学校では、クラスの女の子たちの彼氏とどこまでいったとか、初体験はどんな感じだったとかいう内容のおしゃべりを特に興味なく聞き流していたが、今から思えば後学のために聞いておけば良かったとさえ思う。
それでもどうしても気になるトリッシュは思い切って、唯一彼女の秘密を知っており、しかも口が堅そうなルームメイトに聞いてみた。



「その……マ……マスターベーションだけど、ヴァニラはいつもどうしてるの?」

ヴァニラの答えは実にあっさりしたものだった。

「お前の見ていない所で済ませている」

自分の質問をからかったりせず大真面目に答えてくれたのは嬉しかったが、それだけでは物足りなく、トリッシュはさらに別の事を要求した。

「いつもどうしてるのか、あたしに見せてくれる? あたしだけ見られちゃったままなんて、ずるいわ」

つまり目の前でマスターベーションをしろと言っているのだった。
しかしトリッシュ本人としては誰でもいいというわけではなく、自分の自慰を見たヴァニラでなければ駄目だった。
お互いの恥ずかしい場面を見ることで、うわべだけでない一線を越えた仲になりたいという思いもあるのだった。
どうかしら……と上目遣いで相手の反応を伺う。

「……別にかまわんが」

トリッシュもトリッシュだが、この頭のネジが外れたようなお願いをあっさり了承するヴァニラも相当な神経だった。

「今すぐここでするのか」
「え……ええ」

ヴァニラは特にためらいもせず、むしろさっさと済ませようと行動に移った。
着替えるのと変わらない動作で履いていたブルマーを膝まで下ろすと、だらりとした肉塊が現れた。
それは彼と着替えや入浴を共にする際、特に変だと思う事もなく自然と目にしていたが、改めて見てみると不思議な形をしているわ、とトリッシュは思った。
ヴァニラはベッドの下段に座って自分のものを軽く握り、ゆっくり擦り出した。
その前にトリッシュがちょこんと座って、目の前で肉棒が徐々に育っていく様を瞬きすら惜しんで見つめている。

(触ったら大きくなるものなのね……でも元から大きいのに、あんなに大きくなってどうするのかしら……)

肉棒が勃ち上がるにつれてヴァニラの手の動きも荒々しくなり、大事なところなのにそんなに激しく擦って大丈夫かしらとトリッシュは他人事ながら心配した。
今や亀頭はオイルでも塗ったようにてかてか光っていて、ペニス全体が心臓と直結しているようにびくびくと脈動していた。
トリッシュはこの前暗がりで見てしまったDIOのものと無意識に頭の中で比べようとしていたが、DIOとどちらが大きいかは結局分からなかった。
……ずいぶん長い時間が経ったような気もするし、短かったような気もする。
しばらくして、ヴァニラがくっと息を詰めると、それと同時に彼の手の中に勢いよく白濁が迸った。

(あっ……で、出た……あれで赤ちゃんができるんだわ)

保健の教科書でしか知らない、どう見ても尿とは違うそれをトリッシュはもっとよく見ようと目を凝らしたが、ヴァニラは特に何の感慨もなく掌を汚す精液をすぐにティッシュで拭ってしまった。

「これでよかったか」
「え……ええ」

最後の瞬間までヴァニラは冷静だった。
勃起から射精という一連の現象を直接目にして、トリッシュの好奇心は満たされたかに思えたが、実際にはそうではなく、かえって興味を煽られた彼女はますます興奮する一方だった。
早くも息を整え、後始末を終えて萎えたものをしまおうとしたヴァニラの手をトリッシュは止めさせた。

「ヴァニラ……もう一回できる? 今度はあたしがしてもいい?」

今、トリッシュの頭の中は今度は自分がヴァニラを気持ちよくしてあげたい、という思いでいっぱいだった。
さっき彼が自分でしていたのと同じようにすればまた大きくなるはずよね……と、グロテスクな肉塊にしなやかな指を絡みつかせると、ヴァニラは初めてうろたえた。

「トリッシュ! もう気は済んだだろうッ」
「……だめ? だって……ヴァニラが自分でしてるのがあんまりすごかったから、何だか興奮しちゃって……
 お願い、今度はあたしに気持ちよくさせてちょうだい」

相手の自慰の手伝いをしたいと願い出ているような台詞に、普通は友達同士でこういう事をするものなんだろうか、とさすがのヴァニラも少し考え込んでしまった。
そんな気持ちとは裏腹に、ヴァニラの肉棒はトリッシュの手の中で期待するようにぴくりと震えた。

「気持ちいい所があったら教えてね」

マッサージでもするような台詞を口にしながら、小動物を撫でてやるような手つきですりすりと肉棒を弄くる。
初めて感じる他人の柔らかな手に、見た目によらず初心なヴァニラの下のスタンドは直に反応しだした。

「あっ、硬くなってきたわ……」

素直な反応に気をよくして、トリッシュはそそり勃ち始めたものをきゅっと握った。
どういう仕組みになっているのか知りたくて雁首の下の包皮を軽く引っ張って動かしてみたり、亀頭を指先でつんつんと突ついてみたり、初めて触るおもちゃが面白くて仕方ないようにいつまでも手の中で弄んでいる。

「ふふっ、またこんなに大っきくなっちゃったわね」

しかしこんなお上品な仕方ではいつまでもイけないまま生殺しにされるようなもので、下半身裸のヴァニラの勃起しきった性器を、制服のままのトリッシュが頬を上気させて握っている様は、もし他人に見られたら絵的にまずすぎる状況だった。
一刻も早く終わらせるために、両手で握るようにして全体を上下に激しく擦ってみろとヴァニラが助言するとトリッシュはその通りに、興奮で熱くなった掌で一層熱心にヴァニラを扱きあげる。
その時、部屋のドアが開いた。

「トリッシュ、もう身体は大丈……」

ドアから顔を出したのは徐倫だった。
昼間体調の悪そうだったトリッシュの様子を見に来たのだが、今日に限っては来るタイミングが悪かったとしか言いようがなかった。
二人のあられもない姿をまともに見てしまい、目の前の光景が信じられず徐倫は口を開けたまま固まってしまった。

「あ」
「あ」

トリッシュとヴァニラも一瞬固まったが自分たちが今何をすべきか直ちに察し、目撃者を部屋に引きずり込み、ドアを施錠する仕事を絶妙なコンビネーションでやってのけた。

「ななな何やってんのッ!? マジ!? 飛んでるーッ」
「……人体実験されているところだ」

徐倫が大騒ぎしているせいでかえって冷静になったヴァニラは前を隠そうともせず、的確に今の状況を伝えた。
トリッシュはしどろもどろになりながらも、友達に嘘はつけないし今更ごまかしようがないと覚悟して本当のことを言った。

「こ、これは、あの……あたしがヴァニラにマスターベーションのお手伝いさせてってお願いしたの」
「へ、へぇ~……あたしもグェスにひとりエッチ見られた事はあるけど、そんな発想はなかったわ」

自分が一日悩み抜いたほどの同じ秘密をあっけらかんと言ってしまう徐倫に、どれだけ逞しい神経なのかしら……とトリッシュは内心驚いた。

「お願い! 寮長や他の子には絶対言わないで」
「そりゃあもちろん言わないけど……良かったら、あたしもまぜてくれる?」
「それならいいわよ」
(何ィィィ)

トリッシュは安請け合いしたが、ヴァニラにとっては冗談ではなかった。
徐倫がどこで口を滑らさないとも限らないし、もし生徒同士の淫行現場を寮長に見つかれば、三人まとめて寮を追い出されかねない。
悪くすれば退学になり、主と慕うDIOとも別れる事に……

「ふざけるな! 見つかったらどうする気だ!」
「見つからないようにすればいいのよ。 ほら、あんまり騒ぐと寮長が来ちゃうわよ」

トリッシュのその一言にヴァニラは黙らざるを得なかった。
せいぜい十分ほどの間に全てが済むまで、ヴァニラは自分が石像にでもなったつもりでいる事にした。
それがさらなる苦悶の始まりとも知らずに。


<To Be Continued…>

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