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奇譚小函―きたんこばこ―

R-18 二次創作テキストサイト

ヴァニラ・アイス×トリッシュ

Melting vanilla

「歴代ジョジョが兄弟だったらスレ」の設定に準じたパラレルSS

 

もう春も近いのに冷たい雨が降る中、トリッシュは学校から帰るに帰れず立ち往生していた。

「こんな事ならもっと早く帰るんだったわ……」

貸し出し中だった新刊小説がやっと回ってきて、あんまり楽しみだったので
つい放課後図書室で読み耽ってしまい、気付いたら外では雨が降り出していた。
傘に入れてもらおうにも、運動部の友達はもうとっくに帰ってしまっている。
濡れるのは嫌だけど家まで走って帰るしかない、と覚悟を決めたとき
100m先からでも分かる特徴的な人物が校門の前を通った。

「あッ、ヴァニラ!!」

その名前とは相反するいかつい風貌、鍛え抜かれた脚をむき出しにした衣装、
手には買い物袋を提げた奇人を周りの通行人は遠巻きに見ている。
ヴァニラ・アイス――DIOの直属の部下にして、凶悪なスタンドとドス黒い虚無の心を持つ男だった。
どうしてトリッシュが彼と知り合ったのかは今はさて置き、彼女は友人の姿に顔を明るくして駆け寄った。
2mを超える大柄なヴァニラと並ぶとトリッシュは妖精のように小さく見えた。

「お買い物? 今から帰るところ?」
「ああ、そこのスーパーで大根を買ってきた」
「あのね、あたし傘持って来てなくて…… 家の近くのコンビニの前まででいいから、傘に入れてほしいの
 お願いできる? だめ?」
「……別に構わないが」
「よかったぁ! ディモールト・グラッツェ♪」

トリッシュはあたしが傘持つわ、と言ったが、彼女が精一杯腕を上げても
彼の頭は傘に入らないのは明らかなので、ヴァニラは気持ちだけ受け取り傘を差しかけてやった。
傘をトリッシュに渡して、自分はクリームの中に入る事もできたが、なぜかヴァニラはそうせずに
傘から少しはみ出した肩を雨に濡らしていた。
DIOと出会うまで、ヴァニラには何も無かった。 それまでの半生の事はよく覚えていない。
DIOに仕える事でヴァニラは絶対的な安心を得たが、トリッシュといる事で感じる安らぎは
それとは違っていた。
彼の主であるDIOとプッチのように、ヴァニラもまた心を許せる友を初めて得たのだった。

「……で、とってもかわいい下着だったから高かったけど買っちゃったの」
「わたしはいつも決まったデザインのものしか履かないな……」

他愛も無い会話を弾ませながら、何から何まで対照的な二人は雨の中家路を急ぐ。
向こうから来た車が二人の横を通過した途端、タイヤが水溜りから派手に飛沫を跳ね上げた。
車道側にいたヴァニラは、とっさにスタンドで防ぐ暇もなくまともに泥水を浴びてしまった。

「…………」
「あ! ヴァニラ、大丈夫ッ……じゃあないわね……」

今からでもクリームに追いかけさせて車ごと亜空間に飲み込んでやろうかと思ったが、
友人が見ている前なのでヴァニラはなんとかプッツンせず思いとどまった。
幸い、トリッシュの方はヴァニラの陰にいたので飛沫を浴びずに済んだらしい。
彼女はハンカチを出して濡れた服を拭いてやっていたが、これでは埒が明かないと見て
自分の家に寄って行って服を洗濯する事を提案した。

「洗濯して乾燥機にかけてる間お風呂も沸かしましょう、そのままじゃあ風邪引いちゃうわ」
「しかし、そこまで世話をかけるわけには……」
「いいのよ! ヴァニラがいなかったらあたしが濡れていたんだもの」

それに友達を家に呼ぶなんて久しぶりだわ、と言うトリッシュのはにかんだ表情を見ては
とても断る事はできなかった。
こうしてヴァニラはトリッシュの家までホイホイついて行ってしまったのだった。




電話を借りてDIOの館に少し遅くなると連絡を入れ、ヴァニラは洗濯機を回している間浴室を使わせてもらった。
温かい湯にはトリッシュの趣味らしいピンクの泡の入浴剤が入れられ、いい香りがする。
心地よく湯に浸かっていると、ふと脱衣所に人の気配がした。
誰だ? と無意識にヴァニラは身構えたが、浴室に入ってきたのはなんと全裸のトリッシュだった。

「お風呂いっしょに……入っても……いいかしら? ヴァニラ」
(なッ……何ィィーーーーーッ!!?)

さすがに前はタオルで隠していたが、ドアを閉めるため後ろを向いた時
何も身に着けていない後姿がまともにヴァニラの目に入った。
自分も尻には自信があるほうだが、その見事な可愛らしい桃尻には正直負けたと思った。
驚いて物も言えないヴァニラの前で、トリッシュが洗面器を取って身体に湯をかけ始める。
暗黒空間に姿を消そうかと思ったが、それより早くトリッシュは浴槽の中に入ってしまった。
硬直するヴァニラをよそに、お湯が溢れちゃう、などとのんきな顔で抜かしている。
自分の脚の間にトリッシュの身体がある体勢なので、うっかり股間でも押し付けてしまっては一大事と
腰を引こうとしたが、浴槽の中に逃げられるだけのスペースはなかった。
嫌でも互いの身体が密着し、15歳に相応しいすべすべの肌と触れ合う。

「あったかーい…… いいわよねーッこういうの、裸の付き合いって感じで」

トリッシュの小さい肩はヴァニラの腕の中にすっぽりおさまってしまい、それを意識した途端
脚の間に血が集まって突っ張り、湯の中で彼女の尻に当たりそうになる。
状況は悪化するばかりだった。
どうにかトリッシュを傷つけないようにこの状況から抜け出さなくてはとヴァニラは考え、
身体を洗うと言って浴槽から脱出を計ったが、その試みは無邪気な言葉にぶっ潰された。

「あ、じゃああたしにやらせて! 友達同士で背中の流しっこするのとか憧れてたの♪」
「じ、自分で洗えr
「いいじゃあない! 親友なんだから~ッ」

彼女はヴァニラの意向など知った事ではないらしい。
しかし、いくらうろたえた所で最早この状況がどうなるものでもない。
トリッシュの言うとおり、あくまでも親友同士なんだから堂々としていればいいのだと自分に言い聞かせ
ヴァニラは覚悟を決めて流れに身を任せる事にした。
トリッシュは早速シャンプーを手に取ってヴァニラの髪を洗い出した。
かゆい所はありませんか、と美容師の真似をしている。

「ヴァニラの髪ってきれいで羨ましいわ、あたしくせっ毛だから伸ばすと手入れが大変なの」

ヴァニラの髪は伸ばしっぱなしで特に手入れもしていないが、トリッシュの指に梳かれても
一度も引っ掛かりはしなかった。
誰かに髪を洗われるのは初めてだったが、意外に悪くない感じだった。
シャワーでシャンプーを流されたヴァニラは先程までの危機も忘れ、すっかりリラックスしていたが
トリッシュがスポンジを泡立てて身体を洗い出した時、再び雲行きが怪しくなってきた。

「ヴァニラの背中ってとっても広いわね、何食べたらこんなに大きくなるの?」

広い背中を隅から隅までスポンジで擦り、トリッシュは一息ついた。
不意に、柔らかくあたたかい弾力がぷにっ、と背中に押し付けられてヴァニラは仰天した。

「…………!? な、何をしているッ!!」
「え? 前の方も洗うんじゃあないの?」

トリッシュが後ろから抱きついて手を前に回す不自然な格好になっているが、彼女には他意はなく
浴槽から出てちょっと肌寒いので、くっつきあって温まろうとしているのだった。
その手にスポンジはなく、細い指と小さい掌が筋肉の線をなぞるように肌の上を滑っていた。

「この前の身体測定でちらっと見ちゃったけど、ヴァニラって胸囲もすごいのよね~
 お腹も無駄な肉なんて全然なくってうらやましいわ~…… えーい、もっと触っちゃえ♪」
(ぬおおおおおおぉぉーーーーーッッ)

泡まみれの手で撫で回されるのは猛烈にくすぐったく、妙な気分になりそうでヴァニラは必死に耐えていた。
しかし無情にもその手は下へ下へと降りていく。 ヴァニラの額に妙な脂汗が流れ出した。
その時、後ろからヴァニラに寄り掛かっていたトリッシュが泡で滑ってバランスを崩してしまった。
その手はもがくように掴まる所を探し、たまたま触れた勃起をむぎゅっと力任せに握り
次の瞬間その異様な手触りに気付いた。

「きゃあああぁ!! ……な、何これっ……!?」

トリッシュはネズミの死骸にでも触ってしまったように悲鳴を上げて手を引っ込めたが、
いきなり大事な所を掴まれたヴァニラはそれ以上の衝撃に物も言えなかった。
彼女の怯えた視線が自分の股間に一直線に向けられているのに気付き、
この変態!出て行って!と裸で叩き出される自分の姿が脳裏に浮かぶ。
DIOの前でヘマをしでかした時以上の絶望感がヴァニラを襲った。

(き……気持ち悪いッ!! っていうか怖いわッ!! べ、別の生き物みたい……)

初めて見る男性器に心底衝撃を受けたトリッシュだったが、はっと気を取り直した。

(あたしったら何を考えてるの! 気持ち悪いなんて思ったらヴァニラは傷つくに決まってるわッ!
 で……でもあんなのがついてるなんて……正直言って、すっごく不気味だけど……
 怖いけど、ヴァニラのためにここもきれいにしてあげなきゃ……!)

内心の葛藤を抑えて、そうっとヴァニラの逞しい脚の間を覗き込む。
反り返った巨根に血管が浮き出て、それはちょっとした眺めだった。
普段あんな面積の少ない服によく収まっているものだとトリッシュは不思議になった。
冷静になってよく見るとそれほど気持ち悪くも無いかも……と思い、手を伸ばして試しに指で突付いてみると
弾力のある竿のようにしなった。
ことごとく予想を超えた彼女の行動に、理解不能!理解不能!とヴァニラは混乱する一方だったが
トリッシュは興味深そうに立派な得物を穴が開くほど見つめている。
くりっ、と指先で小さな円を描くように亀頭を刺激され、思わず背筋が震える。
勃起も同じようにびくん、と震えたのが少しだけ可愛く思えて、トリッシュはそこに唇を寄せた。

「んー♪」

気持ち悪がったりしてごめんね、と挨拶のつもりで軽くキスをしてみる。
唇で触れると思った以上に熱く感じるペニスは、さっきより一回り大きくなったようで
もうトリッシュの指が回らない。
今度は優しくきゅっと握り込むと、脈動が掌に伝わってきた。

「……ヴァニラってずるいわ、こんな面白いの持ってて黙ってるなんて」

愛着が湧いたのかすっかり情が移ってしまったのか、トリッシュは巨根を手から離さず
可愛らしいペットか何かに対するように何度もキスをする。
片手では足りない気がしたのか両手で上下に握って、扱くと言うには緩やかな動きで優しく刺激した。
そのまま続ければどうなるか分からないほど無知ではなかったが、それでもトリッシュは止めなかった。
ヴァニラが眉をしかめ、唇を噛み締めながらも押さえられない荒い息に欲情を感じ取ったのだった。

(ヴァニラ気持ちよさそう……もっとしてあげる)

キスだけでは飽き足らず、さらに亀頭を口に含んで可愛がろうとする。
含まれた口の中はあたたかく、舌で鈴口をちろっ、と舐め上げられてヴァニラの下腹にぐっと力が入った。

「……トリッシュッ!! もう止せッ!! やめ…… ッ!!」

何もかもがすでに遅かった。
いきなり口の中に熱い飛沫を浴び、トリッシュはびっくりして咥えていたペニスを口から離したが
射精は止まらず、濃い白濁をどくどくと吐き出していく。
よほど溜めていたと見られる大量の精が吐き出されるまで、長い射精は続いた。
ヴァニラは人前で無様に達してしまった恥辱に打ちのめされていたが、駄目押しのように
自分の精を全身に浴びせてしまったトリッシュの姿を見て、自ら首を刎ねて死にたくなった。
溶けたアイスクリームのような粘つく液で、可愛い顔も胸も口の中も汚されていたが
トリッシュはやり遂げたという達成感で一杯で、晴れ晴れとした気分だった。

「……んっ……んくっ」

トリッシュの喉が小さく上下する。
あまり美味いものではないが、どうやら飲み下してしまったらしい。
彼女が口を開くまでの間、ヴァニラは生きた心地がしなかった。

「……男の人っていつもこんなにいっぱい出すの?」

トリッシュの発した言葉は罵倒でも軽蔑でもなかったが、ヴァニラにとってはむしろそっちの方がましだった。

「何か凄かったわね、あんなに勢いよく出るなんて……ほら、まだ出したいみたいよ」

その言葉通り、まだペニスは反り返ったままトリッシュの手の中で脈動していた。

「ねえ、今度はあたしの事も洗ってくれる? ヴァニラので汚れちゃった……」



ヴァニラはトリッシュを自分の膝に座らせ、向かい合わせになって自分が出した精液を
きれいに洗い落としてやった。
さっきまでの切羽詰った気配はすでになく、浴室の中は穏やかな空気だった。
上気した肌にホイップクリームのような白い泡を纏ったトリッシュは愛らしく、艶かしささえ感じる。
彼女は自分には無い奇妙な器官にすっかり魅せられたようで、お気に入りの玩具を手離さない子供のように
ずっとペニスを握ったまま手を離さない。
時々悪戯をして膝の上から落ちそうになって、あわててヴァニラの広い肩に掴まる。
二人はふわふわの泡にまみれながら戯れ、絡み合っていた。

「お前が悪戯をしたおかげで、湯冷めしてしまいそうだ」
「ごめんね、でも、こうすればあったかいでしょう?」

ぎゅっと抱きつくと二人の身体の間に隙間はなくなり、力強く勃ち上がったままのペニスが
正面のなめらかな恥丘に押し付けられる。
トリッシュはこれを自分のあそこで可愛がりたいと思い、その旨をヴァニラに告げた。
しかしこの生殖器と言うよりむしろ凶器のような代物は、とても生娘が相手に出来るようなものではない。
無理にしたら裂けてしまうのではないかとヴァニラは心配になったが、トリッシュは始めから挿入するつもりはないようで
自分の割れ目にヴァニラを沿わせるようにして、ゆっくり腰を動かし始めた。

「んっ……あぁっ……」

何度も上下になぞられるうちに、控えめな割れ目が蜜を含んでふんわり綻びてきて
その間から小さな蕾のような興奮した突起が覗いた。

「やぁんっ……これ、きもちいいっ……」

最も敏感な秘処を肉の柱に擦りつけながら、トリッシュはその甘美な刺激に耽溺していた。
自分で慰めているような浅ましい姿を親友に見られるのも構わず、処女のままの身体でヴァニラを貪る。
下の唇での淫靡な戯れに切ない息をつき、嬌声を上げた。

「いやぁ……! 腰が止まらないのっ……ヴァニラの、気持ちよすぎるっ……!」

腰を動かすと、ぬるぬるした先走りと蜜が混ざり合って卑猥な音を立てる。
トリッシュの性器が裏筋をなぞって括れまでを往復するたびに、ヴァニラももどかしい愛撫に身悶えていた。
いっそこのまま押さえつけて処女を破ってしまいたいほどだったが、なけなしの理性で必死に堪える。
すると、手に余るほどの巨根にトリッシュの指が絡みつき、そのままぎこちない手つきで扱いてきた。

「ヴァニラ……いっしょに……」

切なく息をつきながら、トリッシュは切れぎれに言う。
一緒にいきたい、という願いを察し、ヴァニラは黙って頷いた。

「……あっ、はぅぅっ……!!」

トリッシュは身を固くしてヴァニラの肩にしがみついた。
処女とはいえ、一丁前に上り詰めてしまったらしい。
ぞくぞくするような感覚に腰が蕩けそうになりながら、トリッシュはヴァニラが吐精する脈動を自分の性器と手の中で直に感じた。
いったばかりで敏感になっている蕾に一際強く擦りつけられ、堪らず泣くような声を上げる。
まだ誰の侵入も許していないその扉に、濃厚な子種がぶちまけられて腿の間が白濁にまみれた様は
たった今胎内に射精されたように見えた。

「……あったかい……」

トリッシュが何気なく漏らしたその言葉さえ、ひどく生々しく聞こえる。
甘い香りの湯気と雄の匂いが混ざり合う中、二人は抱き合ったまま熱が引くのを待っていた。




「そろそろ服も乾くころね」

下着の上からピンクのバスローブを羽織った格好で、トリッシュはヴァニラに冷たいお茶を薦めた。
借りたバスローブはヴァニラには丈が短かったが、彼本人はそんな些細な事よりも
友人――それも年端も行かない娘と一線を越えてしまった事に頭が一杯だった。
あのような醜態を晒してしまって、今更ながら顔から火が出そうだ。
いくら冷たいものを飲んでも頬の火照りは引きそうになかった。

「その、何というか……すまん」
「どうして謝るの?」

いつもと変わらないトリッシュの態度に、ヴァニラは少しだけ安心した。
まだ『友達』でいてもいいのだろうか。 
そう聞くとトリッシュは「当たり前じゃない!」と笑った。

「また出したくなったら、あたしの所に来てね。 あたしも、ヴァニラといっしょにするから」
「お、お前は何を言っているんだッ!!」

物凄い発言に、ヴァニラは再び生娘のように真っ赤になった。
遊びにでも誘うような軽い言い方だったが、さっきの事を蒸し返しているのは明らかだった。
どうやらトリッシュはすっかり味をしめてしまったらしい。
悪気なく男を翻弄する彼女は、ある意味でDIO以上に恐ろしい存在かもしれなかった。
椅子に座ったまま脱力してしまったヴァニラの額に、トリッシュは背伸びして唇を寄せた。
そのあたたかな感触に和みながらも、彼女に主導権を握られっぱなしで少し悔しい気がする。
自分にそんな感情が芽生えている事を、ヴァニラはまだ自覚していなかった。
いつしか外では雨が止み、厚い雲の隙間から夕陽が差し込んでいた。

<END>


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